無菌世界の極限 24時間走にチャレンジ

トレイルレース・ウルトラマラソンウルトラトレイル・ワールドツアー, ウルトラマラソン

レースや普段の練習でご一緒する「ザ御大」的なずっと年齢が上の友人を見ていると、日本よりもずっと深く、草の根レベルでマラソン人気・クロカン人気がイギリスには根付いている、とずっと思っていました。

例えばジャズ評論家で70才が見えているおじい様が100マイルレースを一年間で4つ走ってグランドスラムを目指しますとか、中高年の夫婦でウルトラマラソンをやっていますなどなど、そういう層が厚いのです。

でも、今日のガーディアン紙の記事によれば、少なくともウルトラマラソンについては、近年になって始まった傾向だとか。

マラソンでは飽き足らなくなった層がまず居て、加えて42.195㎞のフルマラソンをそこそこのタイムで完走するのは珍しくもなんともないのでさらにそれよりも長い距離を目指すようになったという全体のトレンドがあるそうです。

Guardian When 26.2 miles just isn’t enough – the phenomenal rise of the ultramarathon
They are an almost-impossible test of the human body and spirit, yet the number of ultramarathons has increased 1,000% over the last decade. Adharanand Finn asks what’s behind this rapid increase – and whether racing 100 miles or more is actually good for you

翻って僕がウルトラマラソンへ傾倒するのは、フルマラソンのタイムを切り上げること、サブ3で走ることにあまり興味がないからですかね。

フルマラソンのタイムを極めることを目標とした場合、一発3時間弱の勝負でアソビ(余裕)がないことがあまり好きではないうえ、一生けん命練習してもその3時間で爆発させられなかったら、また次のレースまで待たなければいけないかったるさが敬遠の理由。

そしてなんだかんだ言って自分に甘いというか、甘える理由が山ほど見つけられる中年サラリーマン的にはそこまで厳密な調整が難しいのです(少なくとも僕の場合)。

ウルトラを極めたい

仕事のことだけでなく、プライベートも楽しむことを考えると、結局、ウルトラマラソンを極めるというのが現実的な目標設定かなと思っています。

極めると言っても順位狙いというよりは、いろいろなレースを走ってみる、という意味。

順位は狙ってみたいけど、それはやはり「体調次第」のところもあるので、地道に帰宅ランを積み上げて走力を引き上げ、行けるときはバーンと行く、そうでなければ気楽に楽しむような態度でレースをこなしていこうと思っています。

So far、この数か月で走ったウルトラレースはイギリスのローカルレースが二本、スペインで開催されたUTWTシリーズのトランスグランを一つ。今年4月以降はCCCとUTカッパドキア(トルコ)以外は、イギリス国内のローカルレースをこなしていく予定です。

距離・内容としては、去年までと違って、今年のウルトラは累積標高差が厳しいもの以外は、100キロ超を基本に予定を組んでいます。

累積標高でいえば、短い距離でガツンと登らせるスカイレースにもエントリー。これは10月上旬にスコットランドのGlen Coeというところでサロモンが開催する29キロのレースですが、下のビデオの通り、見るからに新しいタイプのレース、未経験のレースで今から楽しみです。

24時間耐久というジャンルに挑戦してみることに

様々なレースがあるなかで一通り、エントリーできるものはエントリーしたかなと思っています。あとは各ジャンルで来年以降もいろいろなレースに出ていけば、このブログにも完走記を積み上げられそうです。

いつか完走してみたいのはこの写真のMontane Spine Race。真冬の北部イングランドを420kmにわたって縦断する極限レースの一つ。

でも当然ながら手つかずに残っているジャンルもあって、その中で興味があるのはバーチカル(階段競争みたいなやつです)と24時間耐久走。幸いにしてロンドンにも高層ビルがだいぶ増えてきましたので、バーチカルのレースはタイミングさえみればどこかでエントリーできそう。

問題は24時間走だったのですが、これもようやく一つ見つけました。しかもロンドン市内ということで、自宅⇔会場の移動という点では好条件。レース内容は、一周400メートルのトラックを周回するとのこと。その名もずばりSelf Transcendence 24 Hour Track Race 。

意訳すると、「完全解脱24時間トラック周回競走」。ふーむ。。。。、 え!?

24時間も陸上競技場のトラックを周回し続けるなんてできるんだろうか・・・。形式も何も変わらないなか、ひたすら24時間走り続けるということなので、気持ちのマネジメントについて、何か特別に戦略を考える必要がありそうです。

他にも何かないかなと思って探したのですが、この24時間耐久というジャンルは意外にも少ないんですよ、レース開催数。ですので、このトラックレースで我慢するほか無さそう。

一応は、日本の神宮外苑24時間チャレンジには興味があったので、11月の中旬にこのためだけに日本に帰っても良いかなと検討もしました。でも、11月中旬というのは、仕事のスケジュールとイマイチかみ合いません。

加えて、神宮24時間の参加資格として、JUA(日本ウルトラランナーズ協会)に登録することが義務付けられているのですが、イングランド陸連登録がある僕にはなんかややこしい印象。純ドメ向けレースと思ってあきらめることにしました。

Sanitised worldに生きるからこそのウルトラ

ガーディアン紙の記事にもある通り、今の時代は座ったまま何でもできる時代、そして何もかもがとても便利な時代です。このトレンドは今後も止まることはないので、最近騒動になっている自動運転も10年もすれば普及しているはずです。

僕らの生活環境は、例えるならば無菌室(sanitised world)、俗っぽく言えば(微妙に意味が違うけど)純粋培養。身体なんて動かさなくても何とかなるし、きわめて快適な環境に活きています。

これが良いか悪いかといえば、絶対的に良いことだと思いますよ。でも、どこかで「バランスをとる」ことを人は必要としていて、こういう時代背景だからこそ、ウルトラマラソンがブームになりつつあるんじゃないかって記事はコメントしています。

面白いなと思ったのはこのくだり。コラムライターがオマーンの砂漠で行われたウルトラマラソンの最終日にスタートラインで会った60代後半のドイツ人夫婦の会話です。

the desert in Oman,  on the start line on the last day, I met a German couple in their late 60s. They looked completely shattered after five days pushing themselves on through the scorching heat. “Why do we do this?” Gudrun asked rhetorically. “We have such a nice home.” Her husband, Hansmartin, looked at her and said simply: “Because we have such a nice home.”

「なんでこれをやることにしたんだっけ?居心地のよい家もあるのに。」

「それは、家が居心地が良いからでしょう。」

なるほどね、言わんとするところは分からなくはないです。

世の中の発展・技術革新のトレンドを考えれば、アンチテーゼ的?にウルトラマラソン、トレイルランニングがますます盛り上がるかもしれないなと思っています。

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